「野郎からのバレンタインチョコレートとか地獄でしかない……だが光忠のチョコは普通にウマい」
「というか何でお前男にもチョコ配ってんの? 実はホモなの?」
「違うよ! どうせ女の子たちの分は作るんだし、ならクラス全員分作っても手間はあんまり変わらないしね。それに、バレンタインにチョコもらえたら嬉しくならない?」
「あのな、それは女の子からに限るんだ。例えば母ちゃんにチョコレート貰ったってしょっぱい気持ちになるだけで嬉しくもなんともないだろ? 同じように、野郎からチョコ貰ったって嬉しくないし意味によっては恐怖でしかない」
「けど、長船のチョコレートうまいぞ」
「ありがとう長谷部くん! また来年も贈らせてね!」
「いやウマいけど。そういう問題じゃねえんだってば長谷部」
「あーあーリア充はほっとけほっとけ。こいつどうせあの美人の幼馴染から貰ってんだろうから」
「宗三か? 去年感想聞かれたときに「長船のチョコのほうがうまかった」って言ったら殴られたし三か月口きかなかったし今年は貰ってない」
「長谷部……お前……」
「……いや、そりゃないだろうよ……」
「長谷部くん、さすがにそれはないと思うよ。宗三さんの気持ちを考えてあげて」
「俺としては真剣に答えたつもりなんだが」
「あのね、宗三さんが聞きたかったのは味の感想とかそういうことじゃないと思うよ。バレンタインにわざわざチョコレートを渡した、その行為についての答えが欲しかったんだと思う。バレンタインは女の子にとって決戦なんだ。男なら、ちゃんと受け止めてあげないと」
「やべえ……イケメンやべえ……考え方までイケメンかよ……」
「いや毎年渡されてる義理チョコがそんなに重いわけないだろ」
「それに比べてこの朴念仁! なんでこんなやつに美人の幼馴染がいるんだよハゲろ!」
「おい、今年はチョコはないのか」
「はああ~? どうせ今年も長船から貰ってるんでしょう。わざわざ僕に催促する必要あります???」
「……毎年貰ってるものがないとスッキリしないんだ」