しとしとと降る雨の中、ひとつの傘におさまって紫陽花を眺めるふたり。花びらのようながくに、瑞々しい緑の葉に、雨粒が伝って垂れる。
「紫陽花ってね、土壌によって花の色が変わるそうですよ。ほら、こちらは紫なのに、こちらは赤みがかっている」
梅雨のイメージそのもののようなしとやかな淡藤色の紫陽花に寄り添って、少し赤みがかり薄紅藤に近い紫陽花が並んで咲いている。それを指して口をほころばせる宗三に、長谷部もまた常よりは柔らかい表情で同じものを見ている。
「まるで、僕とあなたみたいだと思いません?」
同じ魔王の刀なれど、一口は天下人を渡り歩き、一口は御家の御刀としてずっと奉られている。その性格の差が僕たちみたいだと、宗三がわらう。長谷部は、なんと返せばよいのかわからないと困惑したように、むっつりと黙り込んでいる。
「多少の悋気はご愛嬌。あなたとのそんな違いも、愛していますよ」
「……お前の悋気は愛嬌ですむ範囲を超えてるんだ」
雨と傘に隠れて見えないように、ふたつの紫陽花の前でキスをした。
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