2025年3月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
私という出力装置を通してお出しするモブレからのお清めえっち、内容が『冒涜的なカルト組織の一端に囚われた長谷部くん、呪物的な何かをフィストファックで物理的に腹にぶち込まれ名状しがたき何かを孕まされ、助けに来てくれた仲間に「腹の中に何かいる、本丸に汚れを持ち込むわけにはいかないからこの場で腹を捌いて取り出してくれ」って懇願してその場で腸かっ捌かれて瀕死状態、なんとか手入れが間に合って一命を取り留めるもあまりの惨状に助けたその日は到底手を出す気になれない宗三さんに「体験の上書きじゃない、同じことをされてもお前だからいいんだと再認識させてくれ」と手酷く抱いてもらうことをせがんで、渋々手荒く抱かれてる最中に「アレは痛くて苦しくて辛いだけだった、今は痛くて苦しくて気持ちいい、痛いのが好きなんじゃない、やっぱりこいつに支配されてるから気持ちいいんだ」って実感してポロポロ泣いて宗三さんを戸惑わせてほしい、みたいなグロとリョナとSMかけ合わせた何かが出力される モブレはまあモブレなので悲惨でもいいと思うんだけど、異形孕ませと麻酔なし開腹はあきらかに趣味10000%だし、お清めえっちがはっぴーでもらぶらぶでもない
>>549
別に燭台切がこのセリフをいうか言わないかで言うとデフォルトの燭台切は言わんやろうななんだけど、そうじゃなくて長谷部くんが誰かに「僕の長谷部くんだよ」ってあたかも所有物みたいに言われてるのが超似合う そしてそれを聞いた本人は「は?俺は主の刀だが?」って切り捨てるのがたやすく思い浮かぶ
別に燭台切がこのセリフをいうか言わないかで言うとデフォルトの燭台切は言わんやろうななんだけど、そうじゃなくて長谷部くんが誰かに「僕の長谷部くんだよ」ってあたかも所有物みたいに言われてるのが超似合う そしてそれを聞いた本人は「は?俺は主の刀だが?」って切り捨てるのがたやすく思い浮かぶ
端的に言うと、SF(すこしふしぎ)的世界で自分の神域に子へしを連れ込んで自分と同じ存在に作り変えていく神様×人間(転生設定)宗へしと、七歳までに神のうちに引き込めなかったから、長谷部くんの見た目の釣り合いがとれる歳になるまで泳がせといてある日突然押しかけて無理やり同棲に持ち込んで絆していく神様×人間(前世設定なし)の宗へしと、ストーカーに殺されて地縛霊になってた宗三さん×たまたま帰省してきた長谷部くんの幽霊×人間の宗へしの三パターン 幽霊の宗へしは私好みのバッドエンドなので、夏になるたびちまちま文章が書き出されるのでいつか完成させたい
長谷部くんは人間気質 宗三さんは刀気質
宗へしは擬似的に人外×人間(概念)なんだよ 何言ってるのこの人
まあそんなわけで現パロ(?)では人外宗三さんの人間長谷部くんにしがち それに該当するネタ三本くらいあるけどどれも完成してないから上げられにゃあ
宗へしは擬似的に人外×人間(概念)なんだよ 何言ってるのこの人
まあそんなわけで現パロ(?)では人外宗三さんの人間長谷部くんにしがち それに該当するネタ三本くらいあるけどどれも完成してないから上げられにゃあ
最初に僕の長谷部くんとか言い出したの絶対燭へしの民だと思うんだけど、違和感のなさがすごい
ウチの宗三さんがアレなのもあるけど、私の作品中「長谷部は僕のものなので」って思考回路を持つ宗三さん、ほぼ100%な気がする いやここには単なる長谷部くんの魔性だけでなく宗三さんの魔王の刀気質も混じり合ってだな(ろくろぐるぐる)
へし沼海溝概念意味わからんよね 浅瀬でちゃぷちゃぷやってる自分からしても海溝民の狂気は意味わからん 長谷部くんは人を狂わせる
織田打刀、傾国コンビか?
長谷部くんも長谷部くんでひとの所有欲掻き立ててきやがる 傾国……
僕の俺の私の長谷部くんは右へしやる上でほぼ100で使い倒されるワード
くつくつと喉を鳴らして上機嫌に笑う長谷部とは裏腹に、宗三はむしろ気分を損ねたようにむっとする。
「……つまり、お伽噺のように、両想いというわけではないと」
「そうなんじゃないのか? お前、別に俺のことそういう意味で好きなわけじゃないだろう」
「……貴方は」
むすっとしたまま、ぽつりと呟かれた言葉に、長谷部はどことなく不穏さを感じ首を傾げる。
「貴方は、どうなんですか? さっき貴方は『僕が』そういう意味で好きなわけじゃない、と言ったでしょう。『お互い』とは言わないで」
「……つまり、お伽噺のように、両想いというわけではないと」
「そうなんじゃないのか? お前、別に俺のことそういう意味で好きなわけじゃないだろう」
「……貴方は」
むすっとしたまま、ぽつりと呟かれた言葉に、長谷部はどことなく不穏さを感じ首を傾げる。
「貴方は、どうなんですか? さっき貴方は『僕が』そういう意味で好きなわけじゃない、と言ったでしょう。『お互い』とは言わないで」
そざへしのふたりに関しては色々と拗らせすぎて逆になんでもありになってる気がしないでもない ド攻めみたいな顔と声してるくせにド受けな長谷部くん愛おしいし普通にカッコいい長谷部くんが受けくん口説いてるの見るのも好きだし、あの見た目でド攻めな宗三さん痺れるし普通に誰かのオムファタールやってる宗三さんは安定していい
今日も雑食全開でお送りしております
ただ基本的に逆カプは受け付けないタイプ(長谷部くんと宗三さんだけ例外)なので大鶯とか膝髭とかはちょっとむり 長谷部くんと宗三さんは百合かつ薔薇だと思ってるのでへし攻めも受けもそざ攻めも受けも基本的にはなんでも食える 基本読むのは右へしなんだがへしにほやへし燭も悪くない 左文字兄弟近親相姦モノはスタンダードだよね!てなるし
ただ基本的に逆カプは受け付けないタイプ(長谷部くんと宗三さんだけ例外)なので大鶯とか膝髭とかはちょっとむり 長谷部くんと宗三さんは百合かつ薔薇だと思ってるのでへし攻めも受けもそざ攻めも受けも基本的にはなんでも食える 基本読むのは右へしなんだがへしにほやへし燭も悪くない 左文字兄弟近親相姦モノはスタンダードだよね!てなるし
どこのサークルさんだったか忘れちゃったけど、現パロ宗小夜よかったなあ……
ちなみに人魚姫症候群、普通に人間も罹るけど、人間の場合赤ちゃんのうちに母親か父親が口づければ大抵治るので問題ない 今回刀剣男士であり、審神者が刀を基本道具として見ているタイプの審神者だったせいでその手段が取れなかった(刀を愛してるタイプの審神者なら多分刀の主従愛(一部除く)と自分の刀への愛情で解決した)
まろすいはまだニコイチ 大慶くんはよき理解者
「失礼ですね、僕にだって多少の身びいきはありますよ。……貴方にだって」
「どういう意味でかは差し置いて、俺は宗三が好きだ」
「……どういう意味でか、は、はっきりさせない方がいいだろう、今はまだ」
その中にはもしかしたら慕情も含むのかもしれない。けれど、それを慕情だと認めてしまうともし失恋した際に泡になって消えてしまう。なのでひとまず感情の整理は置いておくことにした。その心に名前をつけるのは、心が通ってからでいい。
「……どういう意味でか、は、はっきりさせない方がいいだろう、今はまだ」
その中にはもしかしたら慕情も含むのかもしれない。けれど、それを慕情だと認めてしまうともし失恋した際に泡になって消えてしまう。なのでひとまず感情の整理は置いておくことにした。その心に名前をつけるのは、心が通ってからでいい。
人魚姫症候群について調べた宗三さんは後日真っ赤になるよ
「これが、恋愛感情になるのかは知りませんが……少なくとも僕は、貴方を手放し難いと思っていますよ」
「これが、恋愛感情になるのかは知りませんが……少なくとも僕は、貴方を手放し難いと思っていますよ」
未だ苦しそうに長谷部は呻く。まるで溺れかけていたかのような息苦しさで、体が酸素を求めて痙攣していた。
そして気づく。自分が苦しむたび聞こえるこの声は何だと。咳き込むたび、息を求めて喘ぐたび、苦しげに呻く声は……
「へし切、貴方、声が……」
「ぁ、こ、え、でてる、か?」
長谷部は呆然と呟く宗三の方を見る。未だにぎゅっと握られたままの手がそろそろ痛い。久し振りに、いや顕現して初めて聞く自分の声は、あまり自分のものだという実感がわかなかった。
「おい、手。そろそろ痛い。離せ」
「あ、あぁ……すみません」
まだどこか呆然としながら、言われたとおり宗三は長谷部の手を離す。そろそろあの窒息しそうな苦しさも落ち着いて、長谷部はようやくまともにものを考えられるようになってきた。
主は言っていた。完治の方法は、想い合う誰かと両思いになることだと。
人魚姫の逸話通り、想い合うものとの口づけが条件だったのだろう。感情は、恋愛感情でなくとも構わないとも言っていた。幸いにして、こいつも俺に対して何らかの情を抱いていてくれていたということだろう。……それが、俺と同じ、形容しがたい何かでなくとも。
「お前、知っていたのか」
「何がですか?」
長谷部が問いかけるが、宗三は意味がわからずに首を傾げる。その様子に変わったところはなく、本当に何も知らないのだろう。
「というか、貴方、声、出るようになったんですか? なぜ?」
理由がわからないことが不安なのか、心配さが滲み出るような表情で宗三が問う。完治条件が条件だけに素直に言うのも憚られて、長谷部はつい煽るように唇を釣り上げて笑ってしまった。
「さあ? 愛の力かもな」
「愛って、貴方頭でも打ちました? そんなこと言う柄じゃないでしょう」
「知りたきゃ自分で調べろ。俺のこの病は【人魚姫症候群】と言うらしい」
「病気、だったんです? 先天的な欠損ではなく」
宗三のその言葉を聞いて、主は他の刀には病のことを伝えていなかったのだな、と思い知る。おそらく余計な先入観を与えて、こちらに不都合がおこらないようにしたのだと思うが、少しだけ寂しい気持ちになった。
「……そうだ。先天性の異常だが、治る手段はあると伺っていた。お前のさっきのアレは、嫌がらせどころか格好の助け舟だったな」
手を握り開きを繰り返し、体がどこまで動けるか確認する。指や足首など末端は多少動くようだが、腕をあげようとしても異様に重たく感じて動かなかった。まだまだ手入れに時間がかかるのだろう。首は動くので手入れ時間を確認すると、あと3時間と出ていた。
宗三は最初、何を言われているのか理解できていないようだったが、しばらくするとぽっと顔を赤らめて、恥じ入るように両手で顔を覆い隠してしまった。
「ああ、だから、人魚姫……」
「助かったぞ、王子様?」
「やめてください、王子様なんて柄じゃないですよ、僕は」
宗三は顔を覆っていた手を外したが、まだ頬に赤みが残っている。それを愉快な心地で眺めながら、一応フォローのつもりで告げてやった。
「さっきは調べろといったが、ネタバラシをしてやると、別にお互いにあるのは恋愛感情でなくてもいいらしい。ある程度互いに情がなくてはいけないらしいが、それが愛でなくともよいのだと。条件が緩くて助かった」
でなければ、こんなあっさり治るわけがないだろう。
そして気づく。自分が苦しむたび聞こえるこの声は何だと。咳き込むたび、息を求めて喘ぐたび、苦しげに呻く声は……
「へし切、貴方、声が……」
「ぁ、こ、え、でてる、か?」
長谷部は呆然と呟く宗三の方を見る。未だにぎゅっと握られたままの手がそろそろ痛い。久し振りに、いや顕現して初めて聞く自分の声は、あまり自分のものだという実感がわかなかった。
「おい、手。そろそろ痛い。離せ」
「あ、あぁ……すみません」
まだどこか呆然としながら、言われたとおり宗三は長谷部の手を離す。そろそろあの窒息しそうな苦しさも落ち着いて、長谷部はようやくまともにものを考えられるようになってきた。
主は言っていた。完治の方法は、想い合う誰かと両思いになることだと。
人魚姫の逸話通り、想い合うものとの口づけが条件だったのだろう。感情は、恋愛感情でなくとも構わないとも言っていた。幸いにして、こいつも俺に対して何らかの情を抱いていてくれていたということだろう。……それが、俺と同じ、形容しがたい何かでなくとも。
「お前、知っていたのか」
「何がですか?」
長谷部が問いかけるが、宗三は意味がわからずに首を傾げる。その様子に変わったところはなく、本当に何も知らないのだろう。
「というか、貴方、声、出るようになったんですか? なぜ?」
理由がわからないことが不安なのか、心配さが滲み出るような表情で宗三が問う。完治条件が条件だけに素直に言うのも憚られて、長谷部はつい煽るように唇を釣り上げて笑ってしまった。
「さあ? 愛の力かもな」
「愛って、貴方頭でも打ちました? そんなこと言う柄じゃないでしょう」
「知りたきゃ自分で調べろ。俺のこの病は【人魚姫症候群】と言うらしい」
「病気、だったんです? 先天的な欠損ではなく」
宗三のその言葉を聞いて、主は他の刀には病のことを伝えていなかったのだな、と思い知る。おそらく余計な先入観を与えて、こちらに不都合がおこらないようにしたのだと思うが、少しだけ寂しい気持ちになった。
「……そうだ。先天性の異常だが、治る手段はあると伺っていた。お前のさっきのアレは、嫌がらせどころか格好の助け舟だったな」
手を握り開きを繰り返し、体がどこまで動けるか確認する。指や足首など末端は多少動くようだが、腕をあげようとしても異様に重たく感じて動かなかった。まだまだ手入れに時間がかかるのだろう。首は動くので手入れ時間を確認すると、あと3時間と出ていた。
宗三は最初、何を言われているのか理解できていないようだったが、しばらくするとぽっと顔を赤らめて、恥じ入るように両手で顔を覆い隠してしまった。
「ああ、だから、人魚姫……」
「助かったぞ、王子様?」
「やめてください、王子様なんて柄じゃないですよ、僕は」
宗三は顔を覆っていた手を外したが、まだ頬に赤みが残っている。それを愉快な心地で眺めながら、一応フォローのつもりで告げてやった。
「さっきは調べろといったが、ネタバラシをしてやると、別にお互いにあるのは恋愛感情でなくてもいいらしい。ある程度互いに情がなくてはいけないらしいが、それが愛でなくともよいのだと。条件が緩くて助かった」
でなければ、こんなあっさり治るわけがないだろう。
薬研に導かれるまま連れられたのは、どうやら居住区の一角だったようだ。そのうちの一部屋に招き入れられる。一通りの家具が揃っているだけの、比較的殺風景な部屋の中に通されて、そこら辺に座っといてくれやと座布団だけ渡される。とりあえず長谷部は従うほかないので、座卓の前にそれを敷いて座った。
「あんたはちょっとここで待っててくれ。全員を広間に集めたらお披露目といこうや」
そう行って部屋を出ていこうとする薬研を、長谷部はあわてて引き止める。くい、と白衣の裾を引っ張られて、薬研は動きを止めた。
「どうした? 旦那」
はく、と何か言いたげに長谷部の口が動く。そうだ声が出ないのだ、と悔しそうに顔を歪めて、長谷部は薬研の手を取り、手のひらに文字を書いた。
『メモはないか』
「ああ、筆談するのに必要か。ならこれごとやるよ。好きに使ってくれ」
薬研は文机から手のひら大のメモ帳とボールペンを取り出すと、そのまま長谷部に渡す。早速そのうちの一枚にペンを走らせた。
『助かる。これから迷惑をかけると思う。すまない』
「何、あんたがそんなナリで顕現しちまったのはあんたのせいじゃないだろ。気にすんな」
ぐしゃり、と頭を混ぜるように撫でられる。まるで子どもにするかのようなその扱いに長谷部はむっとしてみせ、頭の上の手を払い除けた。
「おっと、すまんな。つい弟たちと同じ扱いしちまった。まあ、とりあえず少し待ってろ」
今度は引き止める理由もなく、薬研は部屋を出ていった。長谷部はひとり、部屋の中でため息をつく。
この本丸に今何口刀が揃っていて、どんな奴らがいるのか。主のために働くのは当然だが、それと並行して仲間ともある程度交流して、何らかの気持ちを通じあわせる必要もあるだろう。できれば、それこそ薬研のような縁ある刀剣であればやりやすいのかもしれないが、しかし織田縁も黒田縁も思い返すと一筋も二筋も行かない奴らばかりで、逆に拗れる可能性はある。
そもそも、織田の奴ら相手に素直になれる気がしないし、黒田のことは忘れていたい。
ならこの本丸で一から関係を作ればいいのかもしれないが、へし切長谷部というのはそういうことが特別苦手だった。だってそうだろう。へし切長谷部の価値観としては、まず主のお役に立つのが一番だ。仲間というのは競い合い高め合う相手であり、馴れ合う対象ではない。
長谷部がつらつらと今後のことについて考えていると、薬研が戻ってきた。
「待たせたな。一応今いる奴らには全員声かけて、広間に集合してもらってる。あんたのその不具合は周知しておいたほうがいいだろ。さあ、行くぜ」
ついてきな、と先導する薬研の後ろに付き従って、長谷部は進む。いくつかの曲がり角を曲がった突き当りに、他の部屋より広そうな入り口があった。ここが広間なんだろう。薬研は躊躇いなくその戸に手をかけ、開く。
長谷部が薬研に引き続いて部屋の中に入ると、部屋の中の視線が一斉に向けられるのを感じた。おおよそは新しい刀への好奇心といった体だが、たまにそれとは別の視線を感じ取って、それらに目を向ける。ぱっと目につくのは、少し驚いたように軽く目を見開いた宗三左文字、ニヤニヤと喜色を見せる厚藤四郎か。宗三の隣には小夜も見かけたが、こちらは特に感情の伺えない表情をしており、何を考えているのかわからない。
ひとまず見知った顔はそれくらいか、と判断し、前に向き直る。薬研に促され、集まった刀たちの前に立たされた。
「あー、一部の奴は知ってるかと思うが、先日鍛刀されたへし切長谷部だ。なんでこいつだけ新刀お披露目会みたいなことなぞやるのかというと、ちょいとこいつには問題があってな。こいつは口がきけん。基本的に意思疎通は筆談を通してになるだろう。それを心得ておいてくれ」
ざわ、とにわかにざわめき立つ。それぞれ縁故のものとひそひそ話をしていたようだが、やおらその中から一本、ひょろりと細長い腕が上がる。
「どうした? 宗三」
「口が聞けないのに、顕現させるなんて……実戦にも出さず、本丸の中で飼い殺しにでもするつもりなんですか?」
そのありありと不服を湛えた物言いに、つい長谷部は吹き出してしまう。笑い事じゃない、とばかりに宗三に睨まれるが、いかにもこいつらしい言い分だなと思うと口の端が緩むのは止められなかった。
宗三の言葉を受けて、いや、と薬研は首を振る。
「大将はちゃんと戦にも出す心持ちだ。口が聞けないぶん連携に不安が残るが、俺たちもへし切も慣れていくしかないだろう」
「ふん、厄介な」
ひとまず納得のいく返答は得られたのか、宗三はしぶしぶ手を下ろす。戦に出さなければ飼い殺しと言い、出すとなると厄介だとのたまう。こいつはどうなれば正解だというのかと呆れて顔を見るが、きっと本刀にも落とし所などないのだろう、不貞腐れた顔で黙り込んでいた。
「とりあえず、こいつにも今までどおり部屋をあてがって生活してもらうんだが……最初のうちは大変だろう。口が聞けないとあっちゃ、ひとを呼ぶのにも一苦労だ。だから、俺が本丸を出ているときに助けに入ってくれるやつが数人ほしいんだが」
「おう。俺、やってもいいぜ。長谷部とは多少の縁もあるしな」
真っ先に、厚藤四郎の声が上がる。長谷部としても願ってもない。厚と薬研は、こちらに踏み込んで来すぎない。その距離感がありがたかった。
けれど、その次に上がった声に、長谷部は少し戸惑ってしまう。
「僕も、世話を焼いてやってもいいですよ。貴方たち二振りとも短刀でしょう。揃って出陣する可能性も高い。なら別刀種からも一振り手伝いがいてもいいでしょう」
どうせ暇ですからね、と嘯く宗三の表情から真意を読み取ろうとするも、何も伺えない。さて、宗三左文字とやらは、進んでひとの世話を焼こうとするほどお節介な刀だったか。どちらかというと、面倒ごとをひとに押し付けて、それを横目で観察しているだけという刀だった気がするが。
「ふたりとも、助かる。なら後でローテーションでも組むか。出陣や遠征が絡むようであれば都度相談ってことで」
そこで、薬研が長谷部に向き直る。
「あんたにゃ悪いが、最初のうち……そうだな、一ヶ月くらいは世話役と寝起きしてくれ。窮屈かもしれんが、しばらくは困ることも出てくるだろうし、そんなときにいちいちひとを探さないといけないのも不便だろう。ヒトとしての生活を覚えるまでの辛抱だ」
薬研にそう説かれ、長谷部はうんと頷く。言っていることは最もだし、むしろ己の欠陥のために周りに迷惑をかけてしまう、申し訳なく思うのは長谷部の方だった。
「あんたはちょっとここで待っててくれ。全員を広間に集めたらお披露目といこうや」
そう行って部屋を出ていこうとする薬研を、長谷部はあわてて引き止める。くい、と白衣の裾を引っ張られて、薬研は動きを止めた。
「どうした? 旦那」
はく、と何か言いたげに長谷部の口が動く。そうだ声が出ないのだ、と悔しそうに顔を歪めて、長谷部は薬研の手を取り、手のひらに文字を書いた。
『メモはないか』
「ああ、筆談するのに必要か。ならこれごとやるよ。好きに使ってくれ」
薬研は文机から手のひら大のメモ帳とボールペンを取り出すと、そのまま長谷部に渡す。早速そのうちの一枚にペンを走らせた。
『助かる。これから迷惑をかけると思う。すまない』
「何、あんたがそんなナリで顕現しちまったのはあんたのせいじゃないだろ。気にすんな」
ぐしゃり、と頭を混ぜるように撫でられる。まるで子どもにするかのようなその扱いに長谷部はむっとしてみせ、頭の上の手を払い除けた。
「おっと、すまんな。つい弟たちと同じ扱いしちまった。まあ、とりあえず少し待ってろ」
今度は引き止める理由もなく、薬研は部屋を出ていった。長谷部はひとり、部屋の中でため息をつく。
この本丸に今何口刀が揃っていて、どんな奴らがいるのか。主のために働くのは当然だが、それと並行して仲間ともある程度交流して、何らかの気持ちを通じあわせる必要もあるだろう。できれば、それこそ薬研のような縁ある刀剣であればやりやすいのかもしれないが、しかし織田縁も黒田縁も思い返すと一筋も二筋も行かない奴らばかりで、逆に拗れる可能性はある。
そもそも、織田の奴ら相手に素直になれる気がしないし、黒田のことは忘れていたい。
ならこの本丸で一から関係を作ればいいのかもしれないが、へし切長谷部というのはそういうことが特別苦手だった。だってそうだろう。へし切長谷部の価値観としては、まず主のお役に立つのが一番だ。仲間というのは競い合い高め合う相手であり、馴れ合う対象ではない。
長谷部がつらつらと今後のことについて考えていると、薬研が戻ってきた。
「待たせたな。一応今いる奴らには全員声かけて、広間に集合してもらってる。あんたのその不具合は周知しておいたほうがいいだろ。さあ、行くぜ」
ついてきな、と先導する薬研の後ろに付き従って、長谷部は進む。いくつかの曲がり角を曲がった突き当りに、他の部屋より広そうな入り口があった。ここが広間なんだろう。薬研は躊躇いなくその戸に手をかけ、開く。
長谷部が薬研に引き続いて部屋の中に入ると、部屋の中の視線が一斉に向けられるのを感じた。おおよそは新しい刀への好奇心といった体だが、たまにそれとは別の視線を感じ取って、それらに目を向ける。ぱっと目につくのは、少し驚いたように軽く目を見開いた宗三左文字、ニヤニヤと喜色を見せる厚藤四郎か。宗三の隣には小夜も見かけたが、こちらは特に感情の伺えない表情をしており、何を考えているのかわからない。
ひとまず見知った顔はそれくらいか、と判断し、前に向き直る。薬研に促され、集まった刀たちの前に立たされた。
「あー、一部の奴は知ってるかと思うが、先日鍛刀されたへし切長谷部だ。なんでこいつだけ新刀お披露目会みたいなことなぞやるのかというと、ちょいとこいつには問題があってな。こいつは口がきけん。基本的に意思疎通は筆談を通してになるだろう。それを心得ておいてくれ」
ざわ、とにわかにざわめき立つ。それぞれ縁故のものとひそひそ話をしていたようだが、やおらその中から一本、ひょろりと細長い腕が上がる。
「どうした? 宗三」
「口が聞けないのに、顕現させるなんて……実戦にも出さず、本丸の中で飼い殺しにでもするつもりなんですか?」
そのありありと不服を湛えた物言いに、つい長谷部は吹き出してしまう。笑い事じゃない、とばかりに宗三に睨まれるが、いかにもこいつらしい言い分だなと思うと口の端が緩むのは止められなかった。
宗三の言葉を受けて、いや、と薬研は首を振る。
「大将はちゃんと戦にも出す心持ちだ。口が聞けないぶん連携に不安が残るが、俺たちもへし切も慣れていくしかないだろう」
「ふん、厄介な」
ひとまず納得のいく返答は得られたのか、宗三はしぶしぶ手を下ろす。戦に出さなければ飼い殺しと言い、出すとなると厄介だとのたまう。こいつはどうなれば正解だというのかと呆れて顔を見るが、きっと本刀にも落とし所などないのだろう、不貞腐れた顔で黙り込んでいた。
「とりあえず、こいつにも今までどおり部屋をあてがって生活してもらうんだが……最初のうちは大変だろう。口が聞けないとあっちゃ、ひとを呼ぶのにも一苦労だ。だから、俺が本丸を出ているときに助けに入ってくれるやつが数人ほしいんだが」
「おう。俺、やってもいいぜ。長谷部とは多少の縁もあるしな」
真っ先に、厚藤四郎の声が上がる。長谷部としても願ってもない。厚と薬研は、こちらに踏み込んで来すぎない。その距離感がありがたかった。
けれど、その次に上がった声に、長谷部は少し戸惑ってしまう。
「僕も、世話を焼いてやってもいいですよ。貴方たち二振りとも短刀でしょう。揃って出陣する可能性も高い。なら別刀種からも一振り手伝いがいてもいいでしょう」
どうせ暇ですからね、と嘯く宗三の表情から真意を読み取ろうとするも、何も伺えない。さて、宗三左文字とやらは、進んでひとの世話を焼こうとするほどお節介な刀だったか。どちらかというと、面倒ごとをひとに押し付けて、それを横目で観察しているだけという刀だった気がするが。
「ふたりとも、助かる。なら後でローテーションでも組むか。出陣や遠征が絡むようであれば都度相談ってことで」
そこで、薬研が長谷部に向き直る。
「あんたにゃ悪いが、最初のうち……そうだな、一ヶ月くらいは世話役と寝起きしてくれ。窮屈かもしれんが、しばらくは困ることも出てくるだろうし、そんなときにいちいちひとを探さないといけないのも不便だろう。ヒトとしての生活を覚えるまでの辛抱だ」
薬研にそう説かれ、長谷部はうんと頷く。言っていることは最もだし、むしろ己の欠陥のために周りに迷惑をかけてしまう、申し訳なく思うのは長谷部の方だった。
審神者は検査結果を見て、ふうむと頭をひねった。
「人魚姫症候群、ねぇ……噂には聞いていたが、本当にあるものなんだな。しかも、刀剣男士に」
さて、この欠陥品をどうするか。
へし切長谷部は多少珍しくはあるものの、そこまでレアな刀というわけでもない。無難なのは、刀解して再度依代が降りるのを待つことだろう。
しかし、使えないのは声だけだ。耳や視力、四肢の異常ならともかく、声くらいであれば多少の不便があっても活用はできそうだ。
都合の悪いことに、へし切長谷部が顕現したというのは既に本丸の一部には知られてしまっている。ここでこれを刀解したとすると、顕現したことを知っている縁のある刀剣たちからの心象が悪くなる可能性がある。まだ稼働したての本丸、そうそうあることではないが、内部分裂の種になるのはできるだけ避けたい。
「……まあ、使うか。完治の可能性がないわけではない病だし」
完治の条件というのが、なんともあやふやなものゆえに、このへし切長谷部に治せるかどうかは未知数だが。それでも、完治の条件を教えておいてやれば努力くらいはするだろう。
そう思いつつ、自分に重ねて考えてみれば、努力でなんとかなる条件でもないと思うが。それは自分の性格上の問題であって、へし切長谷部ならどうにかなるかもしれないと楽観視することにする。
検査結果の紙をくるくると筒状に巻いて、審神者はへし切長谷部を待機させていた蔵の中へ足を向けた。
蔵の中に放置されていたへし切長谷部といえば。自身の置かれている現状がわからず、不安に襲われていた。
なにせ顕現した時から声が出ないのだ。明らかにこの身は欠陥品である。このまま解かされてもおかしくない。せっかくこの地に顕現したというのに、なんの役にも立てずただ解かされるだけというのはなんとも歯がゆい。
しかし、と思う頭もある。解かすのであればその場で溶鉱炉行きになっていてもおかしくない。それをわざわざひと目につかない蔵の中での待機を命じられたのは、まだ主が自分の処置を迷っているからではないのか。それならば、一筋の光明はある。今はただ、それを信じて待つしかなかった。
不安を噛み殺しながら、どれくらいの時間が過ぎたことだろう。ふいにギイ、と扉が開く。久しぶりの明かりに目を焼かれ、薄目でそちらを見る。逆光の中に、鍛刀所で見た中肉中背の男──本能的に主だと察した、人間が立っていた。
「へし切長谷部、こちらへ」
はい、主。
そう言葉にしようとして、相変わらず喉からは空気の漏れる音以外放たれない。仕方がないので一つ頷いて、その自分よりいくぶんか小さい背中を追った。
そこはいわゆる審神者の書斎、なのだろう。三方を天井まで届く本棚に覆われた小部屋の中央に、真四角の机と向かい合うように置かれた二脚の椅子がある。審神者はへし切長谷部を椅子に座るよう促すと、自身も奥側の椅子に腰掛けた。
「まず、お前のその症状について言っておこう。お前のそれは先天性声帯不全症、通称【人魚姫症候群】だ。この病名に心当たりは?」
長谷部には心当たりなどあるはずもなく、首を横に振る。
「なら、人魚姫の童話くらいは知ってるか?」
それに対しては頷く。大雑把な知識ではあるが、王子に焦がれた人魚が魔女と契約して声と引き換えに脚を得て、結ばれようと近くに寄るも恋は叶わず泡となって消える悲恋話だと記憶していた。
「それなら話が早い。要するに、今のお前は人魚姫だ。完治の方法は、想い合う誰かと両思いになること。まあ他にも手段はあるが、それは教えてやらん。思いついて実行するぶんには止めはせんが」
そんなことを淡々と言われて、長谷部は困ってしまった。今人の身を得て顕現したばかりだというのに、想う相手も想われる相手もいるはずがない。
そんな長谷部の困惑は当然理解しているのだろうが、審神者の言葉の調子は相変わらずさっぱり乾いたものだった。
「別に今じゃなくていい。過ごしていくうちに、次第に想う相手が見つかるかもしれない。それに、想う相手とは言ったが、必ずしも恋愛感情でなくてはならないわけでもないようだ。相手に何かしらの感情を抱き、その相手に何らかの感情を返される。それだけでいいらしい。ああ、失恋などしてくれるなよ。その時点でお前は泡となって消えるからな」
最後にさらっととんでもないことを言われて、長谷部はぎょっと目を剥く。誰かに心を傾けなくては治らないのに、一度の失敗でこの身は消えるのか。
「お前は声が出せない。戦では不利だろう。だが、ウチもそこまで戦力に余裕があるわけでもないんでな。戦場にも出させてもらう。他の刀より折れる可能性は高いと心得ておいてくれ。もちろん、そうならないような立ち回りをすることを期待している」
審神者の言葉に、長谷部は頷く。もとより戦の道具として呼ばれた身だ、使ってもらえるのであれば是非もない。
「……こちらからは以上だ。何かお前から質問はあるか。文字は書けるか?」
そう言って、審神者は長谷部の方に紙とシャープペンシルを差し出す。長谷部は少し悩むような素振りを見せて、すらすらとその紙に書き出した。
『主のお気遣い、痛み入ります。不束者ながら、主のお役に立てるよう努めてまいります』
審神者はその紙を一瞥して、小さくため息をつく。
「筆談は問題なさそうだな。今案内役を連れてくる。ここで待っていろ」
そう言って、審神者は部屋から出ていく。さはど時間をかけず、ふたり分の足音が戻ってきた。椅子から立ち上がり、戸に向き直る。
がらりと開いた先にいたのは、審神者と、もうひとり背の低い、白衣を纏った男だった。
「よお旦那。声が出ないたあ不便そうだな。昔の誼だ、何かあったら俺っちに頼ってくれや」
さらりとなびく黒髪、紫水晶のような透き通る瞳。どこか人形じみた顔の作りから放たれる、不釣り合いなドスのきいた声。そういえばこいつは俺の顕現の立会でもあったか、と改めて認識する。薬研藤四郎がそこにいた。
「こいつが案内役だ。立会のときにもいたし、旧知の仲でもあるし、ちょうどいいだろう。薬研藤四郎、あとは任せた」
「おう、任されたぜ、大将」
じゃあ行こうや、と踵を返す薬研の背中に、長谷部があわててついていく。後ろ髪を引かれるように、ちらりと背後を振り返ったが、審神者は興味をなくしたように無表情で戸を閉めるところだった。
「人魚姫症候群、ねぇ……噂には聞いていたが、本当にあるものなんだな。しかも、刀剣男士に」
さて、この欠陥品をどうするか。
へし切長谷部は多少珍しくはあるものの、そこまでレアな刀というわけでもない。無難なのは、刀解して再度依代が降りるのを待つことだろう。
しかし、使えないのは声だけだ。耳や視力、四肢の異常ならともかく、声くらいであれば多少の不便があっても活用はできそうだ。
都合の悪いことに、へし切長谷部が顕現したというのは既に本丸の一部には知られてしまっている。ここでこれを刀解したとすると、顕現したことを知っている縁のある刀剣たちからの心象が悪くなる可能性がある。まだ稼働したての本丸、そうそうあることではないが、内部分裂の種になるのはできるだけ避けたい。
「……まあ、使うか。完治の可能性がないわけではない病だし」
完治の条件というのが、なんともあやふやなものゆえに、このへし切長谷部に治せるかどうかは未知数だが。それでも、完治の条件を教えておいてやれば努力くらいはするだろう。
そう思いつつ、自分に重ねて考えてみれば、努力でなんとかなる条件でもないと思うが。それは自分の性格上の問題であって、へし切長谷部ならどうにかなるかもしれないと楽観視することにする。
検査結果の紙をくるくると筒状に巻いて、審神者はへし切長谷部を待機させていた蔵の中へ足を向けた。
蔵の中に放置されていたへし切長谷部といえば。自身の置かれている現状がわからず、不安に襲われていた。
なにせ顕現した時から声が出ないのだ。明らかにこの身は欠陥品である。このまま解かされてもおかしくない。せっかくこの地に顕現したというのに、なんの役にも立てずただ解かされるだけというのはなんとも歯がゆい。
しかし、と思う頭もある。解かすのであればその場で溶鉱炉行きになっていてもおかしくない。それをわざわざひと目につかない蔵の中での待機を命じられたのは、まだ主が自分の処置を迷っているからではないのか。それならば、一筋の光明はある。今はただ、それを信じて待つしかなかった。
不安を噛み殺しながら、どれくらいの時間が過ぎたことだろう。ふいにギイ、と扉が開く。久しぶりの明かりに目を焼かれ、薄目でそちらを見る。逆光の中に、鍛刀所で見た中肉中背の男──本能的に主だと察した、人間が立っていた。
「へし切長谷部、こちらへ」
はい、主。
そう言葉にしようとして、相変わらず喉からは空気の漏れる音以外放たれない。仕方がないので一つ頷いて、その自分よりいくぶんか小さい背中を追った。
そこはいわゆる審神者の書斎、なのだろう。三方を天井まで届く本棚に覆われた小部屋の中央に、真四角の机と向かい合うように置かれた二脚の椅子がある。審神者はへし切長谷部を椅子に座るよう促すと、自身も奥側の椅子に腰掛けた。
「まず、お前のその症状について言っておこう。お前のそれは先天性声帯不全症、通称【人魚姫症候群】だ。この病名に心当たりは?」
長谷部には心当たりなどあるはずもなく、首を横に振る。
「なら、人魚姫の童話くらいは知ってるか?」
それに対しては頷く。大雑把な知識ではあるが、王子に焦がれた人魚が魔女と契約して声と引き換えに脚を得て、結ばれようと近くに寄るも恋は叶わず泡となって消える悲恋話だと記憶していた。
「それなら話が早い。要するに、今のお前は人魚姫だ。完治の方法は、想い合う誰かと両思いになること。まあ他にも手段はあるが、それは教えてやらん。思いついて実行するぶんには止めはせんが」
そんなことを淡々と言われて、長谷部は困ってしまった。今人の身を得て顕現したばかりだというのに、想う相手も想われる相手もいるはずがない。
そんな長谷部の困惑は当然理解しているのだろうが、審神者の言葉の調子は相変わらずさっぱり乾いたものだった。
「別に今じゃなくていい。過ごしていくうちに、次第に想う相手が見つかるかもしれない。それに、想う相手とは言ったが、必ずしも恋愛感情でなくてはならないわけでもないようだ。相手に何かしらの感情を抱き、その相手に何らかの感情を返される。それだけでいいらしい。ああ、失恋などしてくれるなよ。その時点でお前は泡となって消えるからな」
最後にさらっととんでもないことを言われて、長谷部はぎょっと目を剥く。誰かに心を傾けなくては治らないのに、一度の失敗でこの身は消えるのか。
「お前は声が出せない。戦では不利だろう。だが、ウチもそこまで戦力に余裕があるわけでもないんでな。戦場にも出させてもらう。他の刀より折れる可能性は高いと心得ておいてくれ。もちろん、そうならないような立ち回りをすることを期待している」
審神者の言葉に、長谷部は頷く。もとより戦の道具として呼ばれた身だ、使ってもらえるのであれば是非もない。
「……こちらからは以上だ。何かお前から質問はあるか。文字は書けるか?」
そう言って、審神者は長谷部の方に紙とシャープペンシルを差し出す。長谷部は少し悩むような素振りを見せて、すらすらとその紙に書き出した。
『主のお気遣い、痛み入ります。不束者ながら、主のお役に立てるよう努めてまいります』
審神者はその紙を一瞥して、小さくため息をつく。
「筆談は問題なさそうだな。今案内役を連れてくる。ここで待っていろ」
そう言って、審神者は部屋から出ていく。さはど時間をかけず、ふたり分の足音が戻ってきた。椅子から立ち上がり、戸に向き直る。
がらりと開いた先にいたのは、審神者と、もうひとり背の低い、白衣を纏った男だった。
「よお旦那。声が出ないたあ不便そうだな。昔の誼だ、何かあったら俺っちに頼ってくれや」
さらりとなびく黒髪、紫水晶のような透き通る瞳。どこか人形じみた顔の作りから放たれる、不釣り合いなドスのきいた声。そういえばこいつは俺の顕現の立会でもあったか、と改めて認識する。薬研藤四郎がそこにいた。
「こいつが案内役だ。立会のときにもいたし、旧知の仲でもあるし、ちょうどいいだろう。薬研藤四郎、あとは任せた」
「おう、任されたぜ、大将」
じゃあ行こうや、と踵を返す薬研の背中に、長谷部があわててついていく。後ろ髪を引かれるように、ちらりと背後を振り返ったが、審神者は興味をなくしたように無表情で戸を閉めるところだった。
ちなみに人魚姫なので、自分が惚れた相手がなびかなければ泡になって死んでしまう可能性もあるし、最悪好きになった相手をナイフで刺して殺せば生き残れる上に声も戻る
これを長谷部くんに教えるかどうかはこの本丸の主次第かな
これを長谷部くんに教えるかどうかはこの本丸の主次第かな
(一度目に長谷部くんに庇われる)
「次こんなことしたら嫌がらせしますからね!」
(二度目に庇われる、その頃には自身が長谷部くんに対して他の刀相手よりだいぶ執着を見せてることに嫌でも気づいてる)
手入れ部屋、寝台に寝かされた長谷部が意識を取り戻す。ふるり、と睫毛が震えて、瞼がゆっくりと開いていく。まだ手足に力は入らない。現状を認識しようとぱちり、ぱちりと瞬きをする長谷部の眼前に、ぬっと覆いかぶさる影があった。
「次、こんなことしたら、嫌がらせすると言いましたよね?」
「──!」
はく、と長谷部の口が開くが、当然そこからはなんの音も漏れてこない。そのただ空気が通るだけの口を、生暖かく柔らかいもので塞がれた。
お互い少しかさついた唇同士が触れ、ちり、とした触感が走る。目を閉じる暇もない。お互い目と目をしっかりと合わせたままで、長谷部は甘んじてその口づけを受け入れるほかなかった。
幸いにして、唇が合わせられたのは一瞬で、すぐ宗三の顔は離れていく。目の据わった美人の顔が離れていくのに安堵を感じた長谷部は、次の瞬間急に襲い掛かってきた息苦しさに目を見開く。
「──!──!」
「……へし切?」
顔を離したとはいえ、まだ至近距離にいた宗三は、長谷部の急に変わった様子に眉を寄せる。そして見てしまった。
ごぽり、ごぽり。水中で気泡が上っていくような、そんな大小様々な泡が長谷部の口から立ち上っていく。長谷部は苦しそうに、まだろくに動かない手で寝台にしがみついて身をよじる。宗三は長谷部の苦しげな様子に、慌ててその手を握りしめた。
「──グ、ごほ、がはッ」
泡を吐き出し終えたかと思うと、長谷部は喉を震わせ苦しげに嘔吐いた。そう、苦しげな声を伴って。
今まで咳一つできなかったその喉から、苦しげなうめき声を確かに上げたのだ。
「次こんなことしたら嫌がらせしますからね!」
(二度目に庇われる、その頃には自身が長谷部くんに対して他の刀相手よりだいぶ執着を見せてることに嫌でも気づいてる)
手入れ部屋、寝台に寝かされた長谷部が意識を取り戻す。ふるり、と睫毛が震えて、瞼がゆっくりと開いていく。まだ手足に力は入らない。現状を認識しようとぱちり、ぱちりと瞬きをする長谷部の眼前に、ぬっと覆いかぶさる影があった。
「次、こんなことしたら、嫌がらせすると言いましたよね?」
「──!」
はく、と長谷部の口が開くが、当然そこからはなんの音も漏れてこない。そのただ空気が通るだけの口を、生暖かく柔らかいもので塞がれた。
お互い少しかさついた唇同士が触れ、ちり、とした触感が走る。目を閉じる暇もない。お互い目と目をしっかりと合わせたままで、長谷部は甘んじてその口づけを受け入れるほかなかった。
幸いにして、唇が合わせられたのは一瞬で、すぐ宗三の顔は離れていく。目の据わった美人の顔が離れていくのに安堵を感じた長谷部は、次の瞬間急に襲い掛かってきた息苦しさに目を見開く。
「──!──!」
「……へし切?」
顔を離したとはいえ、まだ至近距離にいた宗三は、長谷部の急に変わった様子に眉を寄せる。そして見てしまった。
ごぽり、ごぽり。水中で気泡が上っていくような、そんな大小様々な泡が長谷部の口から立ち上っていく。長谷部は苦しそうに、まだろくに動かない手で寝台にしがみついて身をよじる。宗三は長谷部の苦しげな様子に、慌ててその手を握りしめた。
「──グ、ごほ、がはッ」
泡を吐き出し終えたかと思うと、長谷部は喉を震わせ苦しげに嘔吐いた。そう、苦しげな声を伴って。
今まで咳一つできなかったその喉から、苦しげなうめき声を確かに上げたのだ。
人魚姫症候群の長谷部くん
顕現時、バグで声が出せない個体として顕現してしまった長谷部くんが、王子様役になった宗三さんに口付けられて声を取り戻す話
【人魚姫症候群】先天性の異常。声帯に異常はないのに生まれたときから声が出ない。筆談は可能。自身がそれなりに好意を抱いていて、かつ自分を想ってくれている相手からの口づけで異常は解除される。
要するに少なからず両思いであれば呪いは解けるってワケ なお想いの大小の釣り合いは取れてなくていいので、恋愛でなく親愛を抱いてただけの相手からでも向けられる想いが重ければ解除される
誰かこんな設定やってそうだな
顕現時、バグで声が出せない個体として顕現してしまった長谷部くんが、王子様役になった宗三さんに口付けられて声を取り戻す話
【人魚姫症候群】先天性の異常。声帯に異常はないのに生まれたときから声が出ない。筆談は可能。自身がそれなりに好意を抱いていて、かつ自分を想ってくれている相手からの口づけで異常は解除される。
要するに少なからず両思いであれば呪いは解けるってワケ なお想いの大小の釣り合いは取れてなくていいので、恋愛でなく親愛を抱いてただけの相手からでも向けられる想いが重ければ解除される
誰かこんな設定やってそうだな
たとえ厨設定と言われようと美味しいものは美味しい
あんまりにも見た目からお姫様扱い受けるからいっそ開き直って自分からお姫様ムーヴし始めてヤケクソ気味にちょっと楽しくなってた宗三さん×そんな宗三さんを見てたからいざ黒田のお家で大事にされ始めた頃あの貞淑さ(?)を見習おうと思ってお姫様ムーヴしてた長谷部くん
本丸で再会したときはやげニキとふどきゅんは本来の性格表に出した宗三さんに「えぇ……?」てなるし、号さんや厚くんあたりは長谷部くんの素に絶句する
当時いなかったからこれは今生やした設定だけど、多分実休さんは薄々宗三さんが猫かぶってること察してたしにこにーは織田からきたばかりで取り繕ってない長谷部くんを知ってるので驚かない
本丸で再会したときはやげニキとふどきゅんは本来の性格表に出した宗三さんに「えぇ……?」てなるし、号さんや厚くんあたりは長谷部くんの素に絶句する
当時いなかったからこれは今生やした設定だけど、多分実休さんは薄々宗三さんが猫かぶってること察してたしにこにーは織田からきたばかりで取り繕ってない長谷部くんを知ってるので驚かない
やっぱとうらぶ初期から居る身としては書きたいよな、おひいさん×おひいさんしてる宗へし
織田サーの姫×黒田サーの姫
織田サーの姫×黒田サーの姫
極まれに俺
私の推しカプ、攻めの一人称が「僕・ぼく・ボク」の率高すぎ